構築する環境について
環境構築に使用するOS
本書はCanonicalのUbuntu ServerとCloud Archiveリポジトリーのパッケージを使って、OpenStack Pikeを構築する手順を解説したものです。
OpenStack PikeをUbuntuで構築するには、バージョン16.04(Xenial)が必要です。
本書は4.4.0-93以降のバージョンのカーネルで動作するUbuntu Server 16.04の最新版を使ってOpenStack Pikeを構築します。インストールイメージは以下からダウンロードできます。
筆者注:
もしここで想定するUbuntuやカーネルバージョン以外で何らかの事象が発生した場合も、
以下までご報告ください。動作可否情報をGithubで共有できればと思います。
https://github.com/virtualtech/openstack-pike-docs/issues
Ubuntu LTSとカーネルの関係については次のWikiをご覧ください。
https://wiki.ubuntu.com/Kernel/LTSEnablementStack
作成するサーバー(ノード)
本書はOpenStack環境をController,Computeの2台のサーバー上に構築することを想定しています。
コントローラー | コンピュート |
---|---|
RabbitMQ | Linux KVM |
NTP | Nova Compute |
MariaDB | Linux Bridge Agent |
Keystone | |
Glance | |
Nova | |
Neutron Server | |
Linux Bridge Agent | |
L3 Agent | |
DHCP Agent | |
Metadata Agent |
ノードの性能要件
最低限、以下のスペックを満たす必要があります。これはOpenStack Pike環境を作って、4個程度のCirrOS、もしくは2個程度のUbuntuインスタンスを起動することを想定しています。要件にあったスペックをご用意ください。
内容 | コントローラー | コンピュート |
---|---|---|
CPU | 3 | 4 |
メモリー | 6GB | 4GB |
ストレージ | 30GB | 30GB |
ネットワークセグメントの設定
IPアドレスは以下の構成で構築されている前提で解説します。
各種設定 | ネットワーク |
---|---|
ネットワーク | 10.0.0.0/24 |
ゲートウェイ | 10.0.0.1 |
ネームサーバー | 10.0.0.1 |
各ノードのネットワーク設定
各ノードのネットワーク設定は以下の通りです。 Ubuntu 16.04ではNICのデバイス名の命名規則が変わりました。 物理サーバー上のNICはハードウェアとの接続によってensXやenoX、enpXsYのような命名規則になっています。なお、仮想マシンやコンテナーではethXやensXと認識されるようです。
本例ではens3として認識されているのを想定していますので、実際の環境に合わせて適宜読み替えてください。
- controllerノード
インターフェース | ens3 |
---|---|
IPアドレス | 10.0.0.111 |
ネットマスク | 255.255.255.0 |
ゲートウェイ | 10.0.0.1 |
ネームサーバー | 10.0.0.1 |
- computeノード
インターフェース | ens3 |
---|---|
IPアドレス | 10.0.0.112 |
ネットマスク | 255.255.255.0 |
ゲートウェイ | 10.0.0.1 |
ネームサーバー | 10.0.0.1 |